飾り屋台の美しい共演と演芸の掛川祭りは今年も大いに盛り上がる

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東海道五十三次の26番目の宿場町として栄えた掛川宿、この旧地名の「掛川」(現在の掛川市中心部)を中心とした41ケ町で行うお祭りを「掛川祭り」といいます。

 

元々は掛川の龍尾神社(たつおじんじゃ)、神明宮(しんめいぐう)、利神社(としじんじゃ)で別々に行われてきた祭りを明治時代に合同で行うようになったのが掛川祭りの始まりとされており、さらには村の合併などにより祭りの参加地域が拡大したことで現在では7つの神社の氏子による41ケ町が合同で行う大規模なお祭りとなっています。

 

41もの町から一斉に屋台や獅子が繰り出すんですから10月のこの時期は掛川の街がお祭り一色になりますよ。

 

今回はこの掛川祭りについて見どころを紹介していきたいと思います。

 

 

開催期間・時間

平成29年10月 6日~ 8日
      10月6日(金曜日) 18:00~21:00

      10月7日(土曜日) 9:00~21:00

      10月8日(日曜日) 9:00~21:00

開催場所

  掛川市中心部 JR掛川駅から北口に出るとすぐ掛川祭りの会場となります。

 

アクセス

電車の場合  天竜浜名湖鉄道 掛川駅下車
        JR東海道本線 掛川駅下車
        東海道新幹線ま 掛川駅下車
        JR掛川駅北口を出てすぐ会場
          
車の場合   東名高速掛川ICより約5分
        掛川駅周辺の市営駐車場(有料)は台数が少なくすぐに満車となります。
        大手門駐車場は毎年交通規制がかかって利用できないので注意してください。
        掛川祭りでの専用駐車場は用意されません。
        ※JR浜松駅まで車で行き周辺駐車場を利用してもいいかと思います。

 

 

 

 

掛川祭りとは

掛川は東海地方と京都を結ぶ重要な地であったため戦国の時代には今川、徳川、豊臣と時代の中心勢力が奪い合った地でもあります。掛川城は「功名が辻」で有名な山内一豊天守閣の修復、城下町の整備を行い宿場町も大変栄えていたそうです。旧掛川と言われる場所は現在の掛川市の中心部にあたり、掛川祭りも旧掛川町を中心にして行われています。

 

掛川祭りの見どころの一つに屋台の引き回しがあります。掛川の屋台はこの地方独特の御所車型で豪華な装飾が施された屋台が各町から38台も繰り出します。


屋台は若者の威勢のいい掛け声とともに道いっぱいに蛇行したり上下にゆすったりと見ごたえ十分です。さらには町ごとに軽快なお囃子や小唄など特色が出ています。

 

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掛川祭りでは多くの屋台が街を巡るため、しばしば屋台同士が道ですれ違うことがあります。しかし、現在とは違い昔は街中の道幅がとても狭かったことで屋台のすれ違いもとても苦労したそうです。このような理由から生まれたのが道の譲り合いを折衝するための「外交」と屋台のすれ違いの作法「徹花」です。

 

一見すると喧嘩をしているようにも見える「外交」も各町を代表する青年たちが誇りと自覚をもってほかの町の外交と折衝を行い、交差点などで複数の屋台が鉢合わせた場合に通る順番を決めたりするのです。

 

「徹花」は現在は道幅が大きくなったことで屋台のすれ違いはさほど難しくないのですが、祭りの作法として必要以上に慎重に屋台を動かし、すれ違った瞬間拍子木がなると軽快なお囃子が鳴り響き屋台も上下に踊りだします。

 

 

この祭りの中心である屋台は昼だけでなく夜も見ごたえがあります。日が暮れて提灯に明かりがともり、いくつもの屋台が列をなすとその艶やかさは際立ちます。三味線や笛、太鼓の奏でるお囃子は廻りで見るもの祭りの中へ引きこんでいきます。

 

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「大祭」と「小祭」

掛川祭りには「大祭」と「小祭」と言われる年があり、大祭は3年に一度行われ最近では2015年に行われたので次回は2018年が大祭にとなります。

また大祭以外の年は小祭と言われ、平年の例祭となっています。開催期間も大祭は4日間行われるのに対し小祭は3日間の日程で行われます。
大祭の年には小祭では見ることのできない三大余興と呼ばれる出し物が行われます。

 

 

三大余興

「奴道中」西町
江戸時代の薩摩藩大名行列を模した西町の奴道中は、「下に、下に」という勇壮なかけ声で奴が練り歩きます。襟は白ちりめんをあしらった黒繻子の法被という豪華な衣装で大名の荷物道具を担いだ奴たち。白毛の槍印を付けた長柄の槍の受け渡しは勇壮で見ごたえがあります。


「獅子舞かんからまち」瓦町
400年ほど前から瓦町に伝わり行列と獅子舞から成る伝統神事芸能で、静岡県無形民俗文化財に指定されています。
2頭の雄が1頭の雌獅子を奪い合い、神の前で和合するという筋立てになっており太鼓をたたきながら側転などをする躍動感ある動きが特徴です。


「大獅子」仁藤町
100人以上の人々で呼吸を合わせて威勢良く舞う大獅子。獅子頭は重さは220kg、胴体が25メートルと大きさは日本一です。
300年以上前に天然寺の住職が考案したと伝えらており、大祭最終日に天然寺の境内で披露されると観客からは大きな歓声が上がります。

 

 

掛川の手踊とは

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掛川祭りでは飾り屋台を中心として町ごとにそろいの法被を身に着け、移動する先々で小唄や長唄に合わせて「手踊」を披露します。手踊も余興の一つですが大祭で披露される三大余興や「赤穂浪士」「曽我兄弟」などの大きな出し物とは違い各町で伝統的に引き継がれてきたものを祭りのこの日のために練習してきたのです。手踊はそれぞれ違いその町の特色が出ているので会所や祭り役員のお宅前で披露されている場合は是非足を止めて観覧して見てください。

 

 

掛川の獅子

 掛川祭りといえば飾り屋台のほかに獅子舞も見どころの一つです。三大余興にも「獅子舞かんからまち」「大獅子」と2つも獅子の出し物がありますし、平年の例祭でも屋台の周りを獅子舞が練り歩きます。その他にも飾り屋台の彫物にも獅子があしらわれていたりもします、こんなところから掛川祭りは「獅子祭り」などともいわれるそうです。

 

 

雨天の用意

台風の接近や秋雨前線による雨天、荒天が多い時期ですので雨具の用意はなるべく持っていくほうがいいでしょう。多少の雨であれば夜でも屋台にビニールをかけた状態で運行します。

荒天による順延は10月8日、9日が中止となった場合のみ予備日として10月10日が設けられています。

 

 

交通規制について

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祭り期間中は掛川市内で大規模な交通規制が行われます。できるだけ公共交通機関を利用することをお勧めします。


また、コンビニであっても交通規制で物資の運搬ができないため食料や飲料の商品が売り切れとなることがありますのであらかじめ持参していくことをお勧めします。

 

 

混雑状況

JR掛川駅を出るとすぐに祭りの会場となっているため最も近い掛川駅はとても混雑します。駅では祭りの案内パンフレットが配布されていますのでまずは入手しておくと周辺地図などが手に入って便利です。


掛川駅が最も混雑すると思われるのは祭りが終了した21時前後の帰宅時間です。見物客が一斉に帰り始めるので改札口が長蛇の列になることが予想されます。あらかじめ帰りの切符を買っておくなど帰りの手段をよく考えておいたほうがいいでしょう。


普段運行している路線バスも祭り期間中は運休または路線変更を行っていますので注意してください。

 

 

出店

祭りに欠かせない出店も駅前を中心にいろいろな物が売っていますよ。イカ焼き、リンゴ飴、焼きそば、たこ焼きに綿あめなどなど子供でも大人でもワクワクしてしまいますね。
時間があれば友達や恋人を誘って夕暮れにフラッと遊びに行くのもいいですよ。

 

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