暴れっぷりが凄い!能登町 宇出津あばれ祭を見に行こう2018
石川県の能登半島地方で夏祭りといえば代表的なのがキリコ祭りです。
7月から10月にかけて200余りのキリコ祭りが行われます。
キリコとは願い事を文字にして張り付けた木組みの灯籠のことで、能登半島のキリコ祭りでは漆塗りの豪華なキリコや高さ十数メートルある巨大なキリコなど様々なものがあります。
祭りの形にもいろいろあるのですが、今日紹介する「あばれ祭り」は能登のキリコ祭りの中で最も早く行われ、その勇壮さも群を抜いています。
まあ、名前が「あばれ祭り」ですから祭りではとにかく暴れるんです!
日本の神事ってよその地域の人からすると「なんでそんなことするの?」って言いたくなることがいっぱいありますよね。
あばれ祭りもそんな神事の一つではないでしょうか。
あばれ祭り
開催日時:平成30年7月6日(金)、7日(土)
開催場所:石川県能登市 能登町宇出津地区
住所:〒927-0433 石川県 鳳珠郡能登町 能登町字宇出津
問合せ先:0768-62-8532 ふるさと振興課
ホームページ:あばれ祭|行事案内|能登町役場
アクセス
車:能越自動車道のと里山空港ICより車で約25分
電車:JR七尾線・能登線「穴水駅」
臨時駐車場
遠島山公園駐車場
宇出津新港臨時駐車場
石川県漁協能都支所横臨時駐車場
シャトルバス
7月6日(金)17:30から運行
宇出津新港臨時駐車場 → コンセールのと
コンセールのと → 宇出津新港臨時駐車場 の最終便は23:30
あばれ祭りの見どころ
あばれ祭りは毎年7月の第1金曜、土曜に行われます。
石川県無形民俗文化財に指定されていている歴史あるお祭りで、大松明の火の粉を浴びながらその周りをキリコを担いで練り歩いたり、あばれ神輿と呼ばれる2基の神輿を海、川、火の中へ投げ入れるなどあばれっぷりが凄まじいのが特徴です。
祭りの起源は350年前にさかのぼり、この地方に悪病が流行したことから、京都の祇園社から牛頭天王を招請して盛大な祭礼を行いました。
すると神霊と化した青蜂が悪疫病者を刺し悪疫が途端に治ってしまいました。
喜んだ地元の人はキリコを担いで八坂神社へ詣でたのが祭りの始まりとされています。
祭りで使用されるキリコは38基、その他に子供キリコ13基、あばれ神輿2基です。
祭りは2日間にわたって行われ、それぞれ見どころがあります。
1日目:キリコの大松明乱舞
1日目は宵祭りで、昼頃から棚木海岸へ向けて各町のキリコが集結し始めます。
夕方には全ての町のキリコが並び、日が暮れるとキリコに灯が入ります。
全町のキリコが並ぶ姿はとても勇壮で見ごたえがあります。
20:30からは花火大会が行われ、キリコと花火の光の共演です。
午後21時になると合図とともに能登町役場前でキリコの乱舞がはじまります。
5本の大松明が焚かれ、降りしきる火の粉を浴びながらキリコがその周りを練り歩きます。
太鼓の音とともに掛け声を上げながら担ぎ手たちが歩き回る姿を見ると観客も大いに盛り上がります。
2日目:あばれ御輿
2日目の主役はあばれ神輿です。
あばれ神輿は海、川、火に幾度となく投げ入れられるのですが、その意味は「あばれて感謝の意を表す」ということなのだそうです。
八坂神社の御祭神、牛頭天王は勇ましいことを好むといわれていて神輿が暴れれば暴れるほど喜ぶそうなんです。
そういわれても到底理解しがたいですが、それが日本の祭事なのです。
あばれ神輿は2基あり、酒垂神社の神輿と白山神社の神輿です。
まず初めに酒垂神社の神輿が18時頃に能登町漁協わきで海へと投げ込まれて始まります。
あばれ神輿はキリコの行列の中に入り八坂神社を目指します。
道々、何度も川に投げ込まれたり、道にこすりつけられたり、橋の欄干に打ち付けられたりもします。
最終的には八坂神社で火の中に放り込まれるのです。
しかし、海や川に投げ込まれるシーンでは観客が歓声を上げ、多くのカメラマンが興奮してシャッターを切るんです。
祭りの氏子たちも1年間待ち望んでいたこの時を思いっきり暴れます。
能登地方で生まれた人々は別の地域に移り住んだとしても、盆には帰省しなくてもキリコ祭りには戻ってきて祭りに参加するといわれるほど祭りを愛しています。
神輿が神社の拝殿に入る2時過ぎ、ようやく2日間の祭りが幕を下ろします。
あばれ祭りのまとめ
祭りの象徴的な役割がる神輿ですが、あばれ祭りではその神輿をどんどん傷つけていきます。
しかし、この傷ついた神輿はどうなってしまうのかという疑問は残りますよね。
翌年も傷ついた神輿を担ぐのか? いいえ、神輿は毎年新しく作り直されます。
祭りの起源が疫病を追い払うことから来ているお祭りですから、神輿は祭りに参加した人々の1年の災厄を引き受けてくれる役目を果たしているんですね。
あばれ祭り!見たくなったでしょ。