天下の奇祭と言われる奈良明日香村のおんだ祭 夫婦の営みを再現する喜劇は見る人を幸せにします
日本全国様々なお祭りが存在しますが中には奇祭と言われるお祭りが様々な形で継承されていいます。
それらは豊作を祈願する祭りであったり、今年一年の福を取り合う祭りであったり、子宝を授かるための祈りであったりと様々なものです。
なかでも子宝を授かるための祀りは女性や子供の前でははばかられるものが多く、奇祭として取り上げられる祭りが多いようですね。
今回紹介する祭りは奈良県明日香村の飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)で行われる「おんだ祭」です。
この祭りは三河の「てんてこ祭」、尾張の「田県祭」、大和江包の「網かけ祭」とともに西日本四大性神事ともいわれています。
おんだ祭 2019年開催情報
開催日時:2019年02月03日(毎年2月第一日曜日)
開催時間:14:00~15:30
開催場所:飛鳥坐神社
住所:奈良県明日香村飛鳥707-1
アクセス
電車:
近鉄 橿原神宮前駅東口から飛鳥周遊バス「飛鳥大仏前」下車 徒歩5分
車:
西名阪自動車道・大和郡山IC-国道24号-国道169号 約60分
飛鳥坐神社のおんだ祭とは
飛鳥坐神社のおんだ祭りは正式には「御田植祭」といいその年の豊作祈願と子孫繁栄という二つの意味があるようです。
祭りは天狗や翁が村中を暴れまわる悪魔除けの行事から始まり、天狗や翁が神社の境内やその周辺に出没して青竹のササラで参拝者のお尻を叩いてまわります。
彼らの暴れ方が激しければ激しいほど、その年は豊作になるともいわれています。
お尻を叩いてもらえると厄払いになるので参拝者や村人もこの時は喜んでお尻を出し青竹で叩いてもらいます。
しかし気を付けなければならないのは、女性や子供には軽めなのですが成人男性にはかなりきつくたたくので注意してくださいね。
午後2時になると神社の境内で御田植神事が演じられます。
天狗、お多福、翁が演じるユーモラスな演劇を見るために境内は人で埋め尽くされます。
ある程度良い場所を確保するためには1時間ぐらい前に場所取りをする必要がありますね。
第一幕は天狗や翁、牛によって田起しや畔切りの様子を再現した御田植神事が始まります。
牛が暴れるときのユーモラスな演技で観客の笑いを誘います。
境内が和やかな空気に包まれてくると第二幕の始まりです。
第二幕はまさに奇祭と言われるこの祭りのメインイベントです。
結婚式を終えた天狗が恥ずかしがるお多福を床に誘う子作り劇です。仲人役の翁が観客から行為を隠す様や子作りを応援する仕草などここでも観客は大盛り上がりです。
さらに、行為後に天狗とお多福が股間を拭いた紙を「ふくの紙」として観客に放り投げます。
福の紙をもらえると子宝を授かるということで観客もこぞってその紙を取りに行くんですから面白いですよね。
五穀豊穣と子宝祈願の祭りではありますが娯楽の少ない時代の村民にとって数少ない楽しみだったことはよくわかります。